2015.1.30 (金曜日)
たしろ鍼灸院
たしろ鍼灸院 田代一義先生
情報サービス大手の営業を17年間勤め、体調を崩していく同僚たちを見ていく中で、体調を崩さないためのメンテナンスの必要性を感じ、入学を決意。
現在は浦安市のマンションの管理人室を治療院として利用し【たしろ鍼灸院】を営んでいる。
治療院の状況について
なぜ管理人室で開業を?
ハコを安く探すには、お風呂のないところを探したらいいって聞いたんですよ(笑)元は別の建物で開業予定だったんですけど、震災で傾いてしまって、ここになったんですけど。でも結果よかったですね。1階だし、患者さんも来やすいんですよ。
僕は嫁も子どももいて、子どもにものすごい生活費かかりますから、ちゃんと収入は確保しつつ自分の患者さんを作っていくっていう両立がすごく大事だったんですよね。
開業自体が家庭の生活費を圧迫しないっていうのがものすごく大事なポイントでしたから。ベッドなんてこれ、8000円ですよ(笑)
スモールスタートはぜひやった方がいいと思いますよ。
どういったルートで集客されているんですか?
ホームページが半分と、紹介が半分ですかね。紹介の方が少し多いかな。僕の治療って、話はよく聞きますけど、治療自体はすごく柔らかくて時間も短いので、何も関係ない人が来るとなんじゃこの治療は?って感じなんですよね。自律神経が弱くて、逆流性食道炎で、って方は治療自体じゃなくて、帰ってよく眠れたとか胸焼けが減ったとか、治療の結果の会話をしてくれる。そこをわかって紹介で来ていただけるとありがたいんですよ。
患者層について教えてください。
うちは自律神経系とか、メンタル系が多いんですよ。それだけで6~7割くらい。
20~22時の時間帯は結構中高生が多いんですよ。中高生の不登校…というか、起きられない子。睡眠障害だと思うんですけど。起立性調節障害とかで来院する子がすごく多いですね。浦安は教育熱心なエリアなので、詰め込み教育、短い睡眠時間っていうのをあまり小さいときから経験しすぎるとそうなってしまうのかな、と思うんですよね。お母さんよりお父さんの方が心配されることが多くて、一緒に来て、ベッドの周りを施術に合わせて回りながら治療を見てもらったり、とかもしますよ(笑)
開業の際、こだわったことはありますか?
誰をメインターゲットにするか、っていうのがすごく大事でして。私は自律神経系、内臓疾患系、婦人科系をメインでやらせていただいててそっちの方の勉強もいろいろやってます。
でもこれって、私が鍼灸科だからできるんだと思うんですよ。あん摩でも治せるんでしょうけど…マッサージとかでも替わりがききますよね。そうじゃないものを求めて来るマーケットって、必ずいるんですよ。整形外科とも、接骨院とも、一般的な鍼灸院とも競合しないしね。
東鍼校での生活
鍼灸師になったきっかけは?
小さい頃に、母や祖母が鍼灸院によく通ってまして、終わった後にすごく体が楽になった、って帰ってくるようなこともあって、多分小さいころから鍼とお灸をするとすごくよくなるんだろうなということが自然に刷り込まれていたんだと思いますね。
以前は情報サービス大手で営業なんかをしていたんですけど、メンタル的なものとかいろんな形で働けなくなっていく同僚が多くて。そんな中で、そういう人たちの手助けになることはないのかというようなことで鍼とお灸とかがいいんじゃないかと思って。企業って、体調を崩した人に対して産業医を紹介したりとか、ちゃんとした対応をするんです。でも大事なのは体調を崩さないようにメンテナンスすることでして、それをやる人がこの社会には少ない、と思ったので。ケアというところでお手伝いができたらなと思って、やりだしたんですよね。
学生時代の思い出を教えてください。
正直最初東洋医学の勉強を始めた時に、ちょっとオカルトっぽいかなって感じたところがあったんですよ(笑)でも、ある鍼灸師の先生に、東洋医学ってのは経験医学であって、理論は多分後からついてきたものだと。実技っていう部分と人が治るっていう事実が信じられたら、理屈は理屈でいいんじゃないか、要は患者さんが治って元気になったらそれでいいじゃないか、って言われて。ああ、その通りだなって思って。
あとはやっぱり夜間で来た方の平均年齢が高くて。僕はすごく安心感があった。一級建築士の方とか、すでに整体師として開業されている方とか、いろんな経験をして、人生観を持っている人たちと仲間になれたっていうのがやっぱり夜間部としてはよかったところかな、と。昼間働いてたので飲みにはあんまり行かなかったですけど、時間があるときは授業の前に早めに行って会話をしたりとか。コミュニケーション力、人間力みたいなものはすごく大事だと思うので、プラスになりましたね。
学生時代のスケジュールを教えてください。
9時から17時まで働いて、18時から学校、という感じですね。元の職場で営業企画や営業のサポーターとして17時までという約束で働いてました。
国家試験前は…電車の中では全部勉強ですよね。でも、仕事のペースは変えなかったです。疲れて体調が悪くなりかけたら、実技授業で台に上って、先生に体がだるいんで何とかしてくださいって言ったりとか(笑)
鍼灸師を目指す皆さんへ
東洋鍼灸の魅力ってなんですか?
どの先生も、脈を診たり皮膚とか切経とかでどう変化したか、患者さんの身体を把握するっていうことを重視していたので、東洋鍼灸を出るとそれが当たり前になる。やったことに対してどう変化したかっていうのが大事になる。これがメリットだと思うんですよね。
鍼灸院って鍼ってところに特化して全部やってるように思われがちですけど、個人的には、疾患に特化した【ここだけ】の技術力を伝承する方が楽だと思うんですよ。【ここだけ】をターゲットにすれば院の作りや専門的なカルテ・食事療法とかもできるし、その人に特化したサービスができるようになる。
残された人生の中でいかに世の中に貢献できるか考えたときに
【ここだけ】に特化するから比較的短いスパンで貢献できるよ、
っていうモデルを作っていけたらいいかな、と思うんですよね。
鍼灸師を目指す方に伝えたいことは?
昔は感染症とかが課題でしたけど、今は生活習慣病とか、原因不明の不定愁訴とか、そういうのが非常に増えてるので。西洋医学もいいんですけど、わからない、どうしようもないっていう人たちに対して何かしてあげるっていうのが、私たちの使命かなって思っていますので。ぜひ学んでいただきたいですよね。
たしろ鍼灸院
浦安駅より徒歩13分
※日・月・祝休み
火~金 9時~12時(最終受付11時)/ 20時~22時(予約締切18時)
土 9時~12時 / 14時~17時(最終受付16時)
電話 047-354-3340
住所 浦安市北栄4-16-9
リュミエ浦安1F
ホームページ http://tashiro-hari-kyu.com/
自律神経系疾患などメンタル面や婦人科疾患等を中心に施術を行う。柔らかく優しい鍼が特徴。